故・
手塚治虫さんがダークヒーローを描いた衝撃作『
MW-ムウ-』の完成披露試写会イベントが28日、都内で行われ、
玉木宏らキャスト陣が舞台あいさつに登壇した。
コミック誌「ビッグコミック」(小学館)で1976年9月から78年1月まで連載されていた原作を、手塚さんの生誕80周年という節目の年に映画化。玉木は、政府がやみに葬ったせい惨な事件の生き残りで、犯罪に手を染めながら生きることの意義を問い続ける役どころだ。
同作のストーリーにちなんで“世界を変えるために必要なもの”を挙げる場面で、図らずも『相棒』と書いたボードを見せてしまった玉木だったが「違う映画の宣伝ではありません!」とすかさず釈明。一瞬、会場には不思議な空気が流れるも、その直後に大きな笑いが沸き起こった。
役作りのために7kgの減量に成功したという玉木は「食事制限をして悪役っぽく見えるようにした。米を食べなかった」と減量法を明かした。
玉木は、世界を変えるためには“相棒”が必要だと考える理由について「人は1人では生きていけないし、相棒がいた方がいいんじゃないかな」と説明。一方、報復に走る玉木演じる主人公を止めようと奔走する“相棒”役を務める
山田孝之は、同じ質問に「僕は世界を変えるなんて大それたことは出来ません。だから“むり”」と答えるなど、どこかチグハグな“迷”コンビぶりながらも黄色い歓声を浴び、観客の心を掴んでいた。
玉木にとって初の悪役となるが、「5年くらい前に話をもらったころは、さわやかな役が多かった。俳優という仕事を続けていく中で、どうしても演じてみたいと思った役なんです」と振り返った。クランク・イン前の数カ月で7キロのダイエットをしたそうで、「原作を読んだら、繊細でシャープでスマートな印象を持ったので、米や炭水化物を食べずにしぼり込みました」。
山田は、同じ生き残りながら、罪を重ねる玉木の暴走を止められずに苦悩する神父役。「好き勝手に振る舞う玉木君に振り回される役だったので、フラストレーションがたまって大変でした。ダーク・ヒーローって楽しそうだなあ」と話し、場内の笑いを誘った。これには玉木も苦笑いだが、「見終わった後に、何が善で何が悪か心が揺れると思う。原作に込められたメッセージが皆さんに届けば、作った意味があります」と自信のほどをうかがわせた。
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